LOPOと建築家たちが共同で手がけた近年のプロジェクトでは、白地のクラック釉仕上げも青磁釉のひび模様も、クラック釉テラコッタパネルが建物の外観に独特の磁器質感をもたらしています。遂寧市の宋磁器文化センター博物館(今年中に全面完成予定)は、この建築材の最新応用例です。
宋磁器文化センターは四川省遂寧市河東新区五彩北路に位置し、総床面積121,600平方メートル(地上75,300平方メートル、地下46,300平方メートル)を有します。博物館、展示ホール、科学技術館、図書館、文化館、無形文化遺産センター、文書館、青少年宮などの施設を包含しています。
中国建築設計研究院の崔愷院士が主導した設計は、遂寧市の丘陵地形と「磁器の都」の文化的要素を考慮。自然で柔軟な建築スタイルは、中国最古かつ最大の宋磁器遺跡群を有する遂寧の栄光を継承・発展させています。
文化センターは緑豊かで開放的なレイアウトを特徴とし、地下部はRC構造、地上部は鉄骨構造を採用。遂寧の丘陵地帯に着想を得た建築家たちは「蓮の葉」要素をデザインに融合させ、建物は咲きほこる蓮の葉のように優雅に広がっています。
全建物は逆円錐形を基調とし、自然に雨よけ空間を形成。来館者は雨に濡れずに施設間を移動できます。各施設の外装には半屋外空間を設けた多層フロアを配置し、空間活用と快適性を向上させました。
プロジェクトの景観は周辺湿地帯と調和し、生態系に配慮した設計が特徴です。地上部の景観は原地形の高低差を活かし、緑島や池などで動的な景観を創出しています。
LOPOは文化センターD地区の宋磁器博物館テラコッタカーテンウォール工事(総面積約6,000平方メートル)を担当。遂寧出土の宋磁器遺物の中でも龍泉青磁と景徳鎮青磁は特に貴重で、歴史的・芸術的価値が極めて高いため、建築家は外装デザインに青磁釉テラコッタ外装パネルを採用。滑らかな波形表面が「水中の蓮の葉」を想起させる視覚効果を生み、積層されたテラコッタサイディングは緑のさざ波のように、光の角度で変化する青磁釉の輝きが印象的です。
この特注クラック釉テラコッタ外装について、LOPOは曲線構造(弧度R1500)に適合させるため、8種類の幅(300mm~750mm)と17種類の高さの波形テクスチャパネルを設計。外装面の一貫性とシステム精度を確保するため、パネル表面の波形を高度に統一させました。さらにプロジェクトのテラコッタレインスクリーン壁システムは垂直支持フレームを採用し、隣接パネルを互いに重ね合わせる「船縁接ぎ」方式で設計。グレーアルミ仕上げで層状に積み上げられた外装は、建物の滑らかなラインを際立たせています。
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